エレファントマン

 知人、というわけでもないんですが、生まれつき頭と右腕が象のように大きく、醜さ故に母親からも愛されず捨てられた男がいました。醜い男は、誰からも愛されない、死ぬまで。
 友人たちとよく話したものです。

 

 「生まれてから死ぬまで、誰からも愛されないっていうのは、いったい
 どんなだろうねぇ 

  さァ、どんなだろうねェ」

 

 生まれつき、象のような頭と右腕。醜い男は、生まれてから死ぬまで、誰からも愛されない。

 

 「お母さん、
  僕がこんなに醜くなければ、少しくらい僕を愛してくれたでしょうか。
  僕がこんなに醜いばかりに。
  お母さんすいません、生まれてどーも、ごめんなさい。」

 

 

 ああ! 醜い男、笑ったことがない。
 ああ! 醜い男、なんという神の気紛れ。
 ああ! 正に今、命尽きる、
 見世物小屋で過ごした、十七年間を思い。