秘密話
これは、ここだけの話なのですが・・・。
眠くなるよな、四月の昼下がり。縁側の猫を隣に、
「このネコは、いったい何を考えているんだろーねー」
ばかだなーキミは。猫なんだから、何も考えてるわけない。言葉をもた
ないのに、ものを考えてるわけない。
そんな二人を横目に、小さな舌見せてあくびする猫。
全て、大した事ないというふうに。
だって、猫は知っている。
満月の夜、猫たちは集まる。湖のある森で、猫たちのパーティー。
すべて、たいしたことないというふうに。
すべて、なんでもないというふうに。
だって、猫たちは知っている。此の世の真理を知っている。
満月の夜、猫たちのパーティー。
全て、大したことじゃない。
全て、なんでもない。
退屈だった神様が、
パチンと指を鳴らしただけ。
パチンとスイッチ入れただけ。
猫がこっそり僕にだけ、教えてくれた、本当のお話。