2023-04-23 鬼と侍 2006(28) 図書館の児童絵本コーナーで、変な絵本を見つけました。 『鬼と侍』 世界の果てで、 冷たい風を間に、向い合う、鬼と侍。 鬼は、今にも襲い繋りそう。 侍は、今にも斬り繋りそう。 鬼の目は、色を映さない醒めた眼で、侍と世界を見ている。 侍の目は、意味を映さない空虚な眼で、鬼と世界を見ている。 鬼は、 思う。 「ああ。 コイツは独りなんだな」 侍は、 思う。 「ああ。 こいつも独りなんだな」 世界の果てで、 冷たい風を間に、向い合う、鬼と侍。 鬼は、初めて色を見た。 侍は、初めて意味を得た。